[コロナ] #2　在宅ワーク始まる。

　2020年3月16日、月曜日。在宅ワーク（テレワーク）が始まった。インドネシアでは、「WFH」（ウェーエフハー）と言う。インドネシア語ではなく、英語の「Work From Home」の略だ。出社は「WFO」（ウェーエフオー＝Work From Office）。なぜ英語なのかはわからないが、この呼び名が定着した。

　私の会社は、非常に早い段階で、在宅ワークに舵を切った。16日からと決まったのは、政府の在宅ワーク推奨により、この日からジャカルタ首都圏の電車の本数が減らされることになり、交通の混乱が予想されたためだ。案の定、月曜の駅は、災害時の日本のような長蛇の列となった。会社の早い判断で、そうした混乱や感染リスクからは免れることができた。

　初めての在宅ワークにワクワクしていたのは事実だ。日本のコロナ禍のニュースで聞いていた在宅ワーク、ついに来た！と。家での仕事は好きだし、むしろ家の方が集中できるし、「余裕だ」と思っていた。ところが、なかなか調子がつかめず、苦しむことになる。

　最初の一週間を日記の抜粋で追ってみる。

1. 3月16日（月）
2. 3月17日（火）
3. 3月18日（水）
4. 3月19日（木）
5. 3月20日（金）
6. 3月21日（土）
7. 3月22日（日）

3月16日（月）

　テレワーク開始。まったく仕事ができず、反省。

自由度が高い。会社にいるよりも優先順位が付けづらく、とっちらかる。
集中力のキープが難しい。フレディ（＝ねこ＝が邪魔）。部屋にとじこもる？（それも難しい……）
服装。お腹が苦しかった。楽な服装で。
食事。きちんと休憩する。
運動。ストレッチなど、適宜。

　余裕だと思っていたが、非常に厳しかった。一日の「To Do」を書き出し、チェックし、消していく。

3月17日（火）

　あまり眠れない。頭が考えている。ストレス。

　朝からお腹が重い。数回トイレへ行ってもすっきりしない。そして突然に、下痢。なんとなく気分が悪い。

　フレディは、私が家にいることに慣れてきたようだ。そんなに邪魔しなくなった。

　やはり、能率的に働けない。もう少し作戦が必要。やっぱり優先順位だな。

3月18日（水）

　だいぶ調子がつかめてきた。自分のリズムでやること。

　お昼はジムへ。クロスラン20分。オイルマッサージ、シャワー。これで、午後からの能率も上がる。

　食欲が出て、ありがたい。調子、戻った。

3月19日（木）

　運動すると、断然、調子が良い。しかし、仕事の能率はなかなか上がらない。時間がない、ねこetc、は言い訳にならない。

　不思議な引きこもり。道はガラガラ。出かけようと思えば出かけられる、いつもの状況とは違う。世界から切り離されたような感じ。

　外、行ってみようか？　なんとなく「自粛」している。いつもの引きこもりとは違う。閉塞感。

　頑張らないといけない。ちゃんと働かないといけない。

3月20日（金）

　長い一週間だった。「ようやく終わった」という印象だ。来週もテレワークになった。

　運動しないと完全におかしくなる。会社にいる以上に、動かないのか？

　能率を上げる方法を考えないといけない。

3月21日（土）

　いい天気。出かけるかどうか。

　在宅ワークは、デスクを分けることで、だいぶ快適に。書き物をする場所、パソコンを置く場所。それに書道の場所も決めて、それぞれ、物は置きっぱなしにする。これで、片付けなくても、それぞれの作業ができる。

　運動して、ごろごろして、一日が終わってしまう。

　ATMへ行ったら、現金がおろせなくて困った。両替するか？

　野菜、果物、肉、米、フレディのごはんなどを買い込む。一応、備えを。

　きれいな夕焼け。広く、空が焼けた。ベッドで見ていると、フレディも来た。一緒に夕焼けを見る。「きれいだねー、フレディ」」。「『にゃおん』と応えてくれる（かもしれない）存在の愛おしさ」とkueさん。まさにその心境。

3月22日（日）

　朝から雨。

　インターネットの通じないのがストレスすぎる。ケータイは「E」。スマートフレンはあまりにもしょっちゅう「No Service」。月曜にはなんとかしよう。

　書道とジャムーの原稿を書く。フレディの「遊んで攻撃」が激しく、ネットが通じないので泣きたくなる。

　友達のダグソトさんが「2週間、基本的に外出禁止」になった、と。

　普通にできていたことが、あっという間に、次々に、できなくなる。映画を見に行く→Close。GBKへ行って「もう一回、ambush interviewをやろう」と思っていたけど、できなくなる。列車もダメ。ツアーもできない。普段から引きこもっていても、「できるけど、やらない」と「やりたくても、できない」は大違い。心理的に。