初めて「Lagimusim」の名前を知ったのは、友人の横堀良男さんが関わっていた、アシュタに期間限定でオープンした「ルミネ」のポップアップ・ストアを取材した時(2022年12月)。日本とインドネシアのブランドが2:8でミックスされており、インドネシアのブランドの方が多かった。その中で、「これは日本のブランドで、大人気です」と紹介されたカラフルなバッグ。付いているラベルを見ると、「Lagimusi […]
バッグは増殖する。と言うのは、「バッグ好き」が知れると、友達にプレゼントされるようになるのだ。2年前の誕生日祝いにもらったのが、これ。ちょうどロンボク島へ行くことになっており、インドネシア人の友人プトリが「ロンボク島のビーチで使ってね」という言葉と共に、プレゼントしてくれたのだ。赤くてかわいいし、メッシュで使いやすそう。これは「ビーチ用バッグ」に決定した。 そして、シンプルなバッグに見えて、使 […]
旅行の時のバッグは難しい。着替えや洗面用具などはリュックに入れるとして、問題はサイドバッグだ。貴重品、カメラ、ノート、水のボトル、トイレットペーパーやウェットティッシュ、手の消毒スプレー、マスク、虫除け、眼鏡ケース、お菓子など、手元にあってほしい物を集めると結構な量になる。ぐちゃぐちゃにならないように、小分けや分類も必須だ。 あれこれ試した結果、その「旅行用バッグ」として定番になってきているの […]
引越をして物の多さが嫌になった。特に大量のバッグ。クローゼットにも入りきらないので「これはなんとかしないと……」と思いながら、片付けの合間にスマホを手にソファに寝転んだところ、なんとなく開けたトコペディアで、目に留まったバッグをポチ、ポチ、としてしまった。カゴに入れただけでなく、さっさと決済まで。自分で自分が信じられず、友達に「なんで私はバッグを買ってしまうんだろう??」と聞いたら、「それは、こ […]
Photocopier. Courtesy of Netflix © 2022 ついにNetflixに入ったところ、インドネシア映画が充実しているのに驚く。映画館へ行きそびれて見逃した新作も、旧作もある。インドネシア語の勉強を兼ねて見始めたところ、とても面白いのにもびっくりした。「映画評」など書ける立場ではないので、超個人的な感想です(見た直後の、素直な感想を書いています)。「見てみようかな」と思 […]
2024年3月、日本に一時帰国して、新しい筆を入手した。奈良で買った筆2本、友人がくれた豊橋筆2本。 「弘法は筆を選ばず」だが、私は筆を選ぶのだ。最初に目黒雅堂先生から買わせていただいた中国の筆(太筆15万ルピア、小筆12万ルピア)に始まり、日本の姉に文具店で適当に選んでEMSで送ってもらったり、日本から来る友達に頼んだりと、試行錯誤している。 中筆は、姉の送ってくれた「女神」という名前の物 […]
今年のレバラン休みは特に何もやることがなかった。この機会にやってみるか、と、ふと思ったのが「えんぴつで奥の細道」(大迫閑歩書、ポプラ社、2006年)。 「ひと文字、ひと文字、少しずつ、芭蕉のことばを書き写してみませんか。出会いと別れ、そして名句の数々。文字を丁寧になぞることであなた自身の旅が始まります」とは、表紙に書かれた魅力的な言葉。 各章(第〇日目、場所、という分け方)に、手本として書か […]
書道に関心を示すインドネシア人は結構いる。私の「#ねこと書道」のツイートを見たインドネシア人の親友のプトリが「筆で字を書いてみたい」と言ってきた。ツイートした甲骨文字の写真を「Asyik!」(クール!)と言っている。うちへ来て、初めての書道に挑戦することになった。 プトリは、書道の筆を持つのは初めてだ。何を書くか、手本を何にするか? どうせだったら漢字がいいだろう。そこで、私の初回の課題「温故 […]
「行って戻る」筆の使い方は隷書(れいしょ)と同じだが、篆書(てんしょ)は楽しい。 「古代文字である甲骨文字、象形文字が、中国の文字の黎明期に、初めて文字としての体裁が整えられた。象形文字に最も近いのが篆書」 「隷書が平たく安定感があるのに対し、篆書は縦長。華やかで趣がある。動きがあって、面白い字」 「気品、柔らかさ、優しさがある。印鑑にするのに、情緒があって良い」 (目黒先生) 何かを […]
「ジャカルタ・グッド・ガイド」による中華街グロドックのウォーキング・ツアーで、参加者の外国人男性が肩にかけていた布製のトートバッグに目を奪われた。ぱっと見た時には、バッグの外側に、ビニール袋に入れたおやつをくっつけているんだ、と思った。「すぐ食べられるように、おやつを持ち歩いているのか、便利だな」と。 しかし、よく見ると「あれ? ペットボトル? ペットボトルの中に、おやつを入れる??」と疑念が […]
Tas, tas, tas… 「今、バッグ、いくつあるの? 1日1個、順番に使うとして、1個のバッグは、1年にたった数回しか使われないよね? それって、バッグがかわいそうじゃない?」と友達に言われたことがある。そういう問題ではないのだ。 私は「バッグ好き」だが、いろんなバッグをたくさん欲しいわけではない。バッグを収集しているわけではない。「究極の1個」を探し続けているのだ。 「あ […]
「石」 石は 億萬年を 黙って 暮しつづけた その間に 空は晴れたり 曇ったりした (壺井繁治) 小豆島へ遊びに行った時、「二十四の瞳映画村」内の「壺井栄文学館」を訪れた。興味深く見学して、「二十四の瞳」のポストカードや、壺井栄が好きだったという「桃栗三年柿八年柚の大馬鹿十八年」をモチーフにした便箋を買った。「石」は、その壺井栄の夫で詩人の壺井繁治(つぼい・しげじ)の作。小豆島には「石」の碑もあ […]
目黒先生のレッスンとは、どんな感じなのか、と言うと。最新のレッスンの様子を書いてみる。 2023年8月26日、土曜日。この日も、午前中はずっと「最後のあがき」の清書をし、ちょっとお昼休憩をしてから出発。午後2時前に、先生宅に到着した。久しぶりにお会いした先生、「何年ぶり?」とボケる。半年ぶりです。 家で書いた清書をまとめて提出する。まずは楷書だ。書家・田英章の本から手本を取ったもの。 先生 […]
ギリギリの所で破門を許されて、私の書道生活は第二フェーズに突入した。課題は必ず全部やり、「ねこと書道」にも慣れてきた。書道が楽しくて仕方がない。 家で課題をする順番は、まずは「かな」から。「かな」は時間がかかり、清書までなかなか行き着かないので、一番最初にやる。次は隷書。隷書は迷路だ。私のレベルでは、いくら練習しても結果はあまり変わらないと思えるので、ある程度やったら、すぐ清書して終わりにする […]
書道を始めてすぐ、その楽しさにすっかり夢中になる。ひたすら練習していると、書けないなりにも「あっ、これ、まぁまぁじゃない?」という瞬間がある。字の形がだんだん意識されてくる。字を書くことがだんだん苦にならなくなり、いそいそと練習する。 一字ずつ練習してから清書にかかるのだが、清書がまた難しい。例えば、かなの「りぬるをわかよた」という課題。「『り』はうまくいったけど、『ぬ』の丸める所を失敗した。 […]
「夏の雨きらりきらりと降りはじむ」(日野草城) 夏の明るさに満ちた、美しい歌だ。しかし、この手本、普通は読めないだろう。目黒先生は手本を書いた後、読めない字を一字ずつ別紙に書いて解説してくれる。「夏」「雨」「降」、えーっ、こうなるの?? あまり納得はできないのだが、納得するかどうかではなくて覚えないといけない。 「降りはじむ」の「は」は、「者」を当てる。「剣者心也」(剣は心なり)というように、 […]
かなと楷書に少し慣れたころ、「簡単な隷書(れいしょ)をやってみましょう」と目黒先生に言われた。「ええーっ、また新しい書体をやるの?」と再び内心ひるみつつ、初めての隷書を教わった。書き方がこれまでとまったく違い、「はぁ……書の道のりは遠い……」と呆然とした。 筆を「行って戻す」と行き来させる、ナゾの筆遣い。例えば「一」と書きたかったら、左から右へ真っ直ぐ引くのではなく、まずは逆側の右から左へ(上 […]
「書道をやりたくなったなぁ。始めてみようかなぁ」という方に是非ともお伝えしたいのは、「道具は(そこそこ)良い物を!」ということだ。私自身も「どうせ下手だから」安い物で十分だ、と思っていた。しかし実は「下手だからこそ」、そこそこの道具が要るのだ。それを最初にわかっていれば、もっと練習の効果が上がっていたかもしれない。その反省に立ち、「ものすごく良い物」でなくていいから、最初から「そこそこ良い物を」 […]
「ねこと書道」の回でも書いたが、ねこ(名前はフレディ)はいくら机から下ろしてもまた上る。もうそのまま放置。だんだん慣れてきて、ねこと戦いながら、気軽に書道の練習をできるようになった。 大抵は紙の上に座ったり寝ているだけなので、邪魔ながらも、なんとか書ける。その時、墨の小皿や筆はフレディから離しておく。しかし、こうやって注意していても、たまに、墨皿に手(足)を突っ込んでしまうという惨事が発生する […]
書道を始めて2カ月、「書道楽しい」絶頂期に来たのが、フレディ(ねこ)だ。夢中になって燃え盛っていた火に、ざばんと水を浴びせられた。 書いていると必ず邪魔をする。下敷きの上に紙を置くと、ズバン!と手で押さえる。文鎮の向こうから虚ろな目でこちらを見ていたかと思ったら、文鎮にもたれて(文鎮を押しながら)寝てしまう。清書や手本をいっぱいに広げた上や、紙の間に「落ちて」いる。 これはまだおとなしい方で […]